重複投薬・相互作用等防止加算

重複投薬・相互作用等防止加算

処方医に連絡・確認後の処方変更における2つの加算点の違い

重複投薬・相互作用等防止加算の算定要件

令和元年11月30日公開
令和2年5月5日更新

 

重複投薬・相互作用等防止加算は、平成6年4月1日より設けられているもので、重複投薬または相互作用の防止のほか、残薬調整などを含めて評価するものとして、平成28年4月1日より現行の名称に見直された。

 

平成30年4月1日の調剤報酬改定では、薬剤服用歴の記録に基づき、重複投薬または相互作用等の防止の目的で、処方箋を交付した保険医に対して連絡・確認を行った結果、処方に変更が行われた場合に所定点数に40点を加算し、残薬調整に係るものの場合は所定点数に30点を加算する。

 

その具体的な内容は次のとおりである。

  1. 重複投薬・相互作用等防止加算は、薬剤服用歴の記録又は患者及びその家族等からの情報等に基づき、処方医に対して連絡・確認を行い、処方の変更が行われた場合に算定する。
  2.  ただし、複数の項目に該当した場合であっても、重複して算定することはできない。
     なお、薬剤服用歴管理指導料を算定していない場合は、当該加算は算定できない。

     

  3. 「イ 残薬調整に係るもの以外の場合」は、次に掲げる内容について、処方医に対して連絡・確認を行い、処方の変更が行われた場合に算定する。
    • (ア)併用薬との重複投薬(薬理作用が類似する場合を含む)
    • (イ)併用薬・飲食物との相互作用
    • (ウ)そのほか薬学的観点から必要と認める事項
  4. 「ロ 残薬調整に係るものの場合」は、残薬について、処方医に対して連絡・確認を行い、処方の変更が行われた場合に算定する。

  5. 重複投薬・相互作用等防止加算の対象となる事項について、処方医に連絡・確認を行った内容の要点、変更内容を薬剤服用歴の記録に記載する。
  6.  

  7. 同時に複数の処方箋を受け付け、複数の処方箋について薬剤を変更した場合であっても、1回に限り算定する。

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重複投与・相互作用等防止加算を算定できる条件は?

重複投薬・相互作用等防止加算算定におけるQ&A

Q1 単純な入力ミス等による変更(例えば、食後から食前へ)は、処方変更に該当するのか。

A1 該当しない。薬歴に基づく薬学的な業務でなければ、当該加算の対象とはならない。

Q2 服用中の他の医療機関の薬剤、服用中のOTC薬、あるいはお薬手帳との重複投薬、相互作用が認められる場合も算定可能か。

A2 患者が持参したお薬手帳、院内処方などにより、重複投薬などの可能性が判明した場合は、その医薬品を処方している医療機関等に照会を行い、処方内容の変更が行われた場合は算定可能。

Q3 残薬の状況の確認に伴い、残薬が相当程度認められて処方医への照会により処方変更(投与日数の短縮)が行われた場合に限り、重複投薬・相互作用等防止加算を算定できるものと解釈して差し支えないか。

A3 差し支えない。ただし、残薬の状況確認に伴う処方変更は、頻繁に発生するものではないことに留意する必要がある。

Q4 重複投薬・相互作用等防止加算及び在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料の算定対象範囲について、「そのほか薬学的観点から必要と認める事項」とあるが、具体的にはどのような内容が含まれるのか。

A4 薬剤師が薬学的観点から必要と認め、処方医に疑義照会した上で処方が変更された場合は算定可能である。
具体的には、アレルギー歴や副作用歴などの情報に基づき処方変更となった場合、薬学的観点から薬剤の追加や投与期間の延長が行われた場合は対象となるが
保険薬局に備蓄がないために処方医に疑義照会して他の医薬品に変更した場合などは当てはまらない。

Q5 同一医療機関の同一診療科から発行された処方箋であっても、重複投薬、相互作用の防止等の目的で、処方医に対して照会を行い、処方に変更が行われた場合は算定可能と理解してよいか。

A5 「重複投薬・相互作用等防止加算」及び「在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料」は薬学的観点から必要と認められる事項により処方が変更された場合には算定可能としているので、
上記の内容も含め、これまで算定できないとされていた「薬剤の追加、投与期間の延長」等であっても、要件に該当するものについては算定可能である。

参考資料:保険薬局業務指針2020年度版

保険調剤業務に必須の一冊

保険薬局業務指針2020年版

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