コンサータ錠の徐放性の特徴と廃棄方法

浸透圧を利用した放出制御システム（OROS）を応用した徐放錠です。
（OROSというのは、Osmotic Controlled Release Oral Delivery Systemの略）

コンサータ錠の添付文書の使用上の注意には、
「12時間持続するため、就寝時間等を考慮し、午後の服用は避けること。」
の記載があります。
今回の実験により、12時間持続する理由が視覚的にも納得できるものとなりました。

数日放っておきましたが、緑のプッシュ層は色が薄くなり動きは止まりました。

シリンジを使い内部の残渣物を取り除き綺麗にしたものがこちらです。

このような錠剤であることから、
コンサータの添付文書の薬剤交付時の注意事項として、

• 本剤は徐放性製剤であるため、噛んだり、割ったり、砕いたり、溶解したりせず、必ず飲み物と一緒にそのまま服用するよう指導すること。
• 本剤の外皮は内部の不溶性の成分と一緒に糞便中に排泄されるが、正常なことであり心配する必要はないことを説明すること。

がよく分かって頂けたのではないかと思います。

コンサータ錠は第1種向精神薬で、薬局で扱う場合でも調剤責任者が「ADHD適正流通管理システム」に登録が必要となる上、薬局間の移動もできない医薬品となります。

薬価も高く、期限切れ廃棄においても記録が必要となり、安易に捨てる事もできません。

今回、切断したり水につけたコンサータは患者さんから廃棄依頼を受けたものとなります。
（患者さんから回収したコンサータは廃棄記録の必要がありません）

この患者さんは10年以上前から服用していました。

災害等があった時に簡単に貰える薬ではない事を認識しており、余分に持っていた物の期限が古くなり持ったままになっていたとの事でした。

このような形で廃棄依頼を受け、効率よく廃棄する方法を見つける為に行いました。

製薬会社に問い合わせた回答においても
中性洗剤を加えた水にコンサータ錠を12時間放置後、水は放流し、残渣物は廃棄との事でした。

コンサータ錠は第1種向精神薬となります

廃棄においては記録においても注意が必要となります

向精神薬取締法の確認

参考